BL漫画『涙の先に手はあるか』を読んだ感想＆おすすめポイント紹介

本記事では、ちえ子先生の人気BL漫画『涙の先に手はあるか』の感想レビューと、この作品をお得に読む方法をまとめて紹介します！

ちえ子先生といえば、4巻完結作品の『意地っ張りmy sweetie』や、1巻完結作品の『アウトコンプレックス！』など、数々のBL漫画を手がける人気漫画家さん。繊細で美しい描写と作り込まれたストーリーが人気で、多くのファンを魅了しています。

今回紹介する『涙の先に手はあるか』は、ひとことで言うと「イケメンプロ棋士と元先輩の感動のラブストーリー」です。

この作品は、プラトニックで感動的な愛を体感できる作品です。大人の男性だからこそ抱えている複雑な人間関係や思いが描かれており、胸が熱くなるような感動を得ることができます。どちらかといえばヒューマンドラマ的要素が強いストーリーなので、BL漫画好きはもちろん、ドラマや映画が好きな人も楽しむことができる作品です。

全5巻の完結作品なので、最初から最後まで一気読みしたい人にもおすすめです。

それではさっそく、漫画のストーリーや見どころを紹介していきます。

『涙の先に手はあるか』のあらすじ

九条は端正で冷静な姿から「氷晶の棋士」と呼ばれ注目をあびる気鋭の棋士。彼の裏側には誰も知らない秘密があった。対局の前に必ず「泣く」事。そうすれば感情に揺り動かされない…と自分を騙し続けて来たがタイトル戦の直前、歪みは現れた…。終盤冷静さを無くし、敗北した彼に、父や家族は失望を口にし、九条自信も自の価値を見失い橋から身投げしようとする。その時、旧知の仲間である嵐山に引き留められ、彼の家に居候する事になるのだが…

タイトル	涙の先に手はあるか
作者	ちえ子
出版社	G2コミックス
掲載雑誌	G2Comix

幼い頃から両親の教育によって感情を表に出すことを禁じられていた九条は、対局前に涙を流すことで感情をコントロールしていたのですが、タイトル戦を前に涙が流せなくなり敗北。自殺しようとしたところに現れた元先輩・嵐山に救われ、嵐山とその甥と3人で生活することになります。
嵐山と生活することで、九条の将棋や感情にも変化が現れるのですが……その過程がとても丁寧に描かれていて、1話ずつ余韻に浸りながら読むことができるんです。

ちえ子先生の美しく繊細な描写も見どころのひとつ。どのキャラクターも丁寧に描かれているので、何度読み返しても新しい発見ができます。

『涙の先に手はあるか』のおすすめポイント

語り尽くせないほどの魅力が詰まっている『涙の先に手はあるか』ですが、今回はその中でも特におすすめのポイントを3つ紹介します。

まるで映画！感動のヒューマンドラマ

BL漫画でありながら、まるで映画のように壮大で人間味あふれるヒューマンドラマを体感できるのがこの漫画の魅力。
九条が身投げを止めようとしたことで久しぶりに再開する嵐山は、九条の人生をがらりと変えてしまうほど影響力のある人物で、魅力的なキャラクターです。九条を温かく受け入れるだけではなく、道を外れる九条を時には叱咤してビンタしたりと喝を入れることも。そんな嵐山の熱さに導かれていく九条を見ていると、2人の関係性に胸が熱くなるんです！圧倒的に美しい描写と人間ドラマに、思わず目頭が熱くなる人もいるのではないでしょうか。

男性2人と子どもの同居生活

自殺未遂をきっかけに、嵐山家で同居をすることになった九条。嵐山は、とある事情で幼い甥っ子と一緒に暮らしており、男2人と子どもとの3人の生活が始まります。
3人の同居生活は、心がぽかぽかと温かくなる描写が盛りだくさん。3人で散歩へ行ったり、保育園へお迎えに行ったり……まるで本当の家族のような3人の姿が描かれていす。

将棋にひたむきに向き合ってきたが故に、子どもに不慣れな九条のぎこちない姿も可愛らしく、ほっこりとするシーンも。しっかりとした重めのストーリーの中に散りばめられた心温まる同居生活を、ぜひ堪能してください。

元先輩×イケメン後輩！将棋棋士のプラトニックな愛

九条と嵐山の恋は、大人ならではのスローペースで進んでいきます。同居しているとはいえ、嵐山は九条の将棋へのアドバイスや激励を行うのみ。相手への想いを特に表に出すことなく話が進んでいくので「この2人は恋人になるのかな」とドキドキしながら読み進めるのですが……物語終盤には感動と胸キュンな展開が待っています！人間愛と恋愛、両方が堪能できるのはこの作品ならではです。

プラトニックな関係なので、いやらしさを感じないのも魅力的。過激で展開の早いストーリーの作品よりも、緻密に組み立てられたストーリーをゆっくりと堪能したいという人におすすめです。

---

この漫画は、プロ棋士と元プロ棋士の大人な恋を楽しむことができる作品です。映画のように感動的で壮大なストーリーと、プラトニックな恋愛を楽しみたい人はぜひ本編をチェックしてください。

全5巻完結作品なので、隙間時間に一気読みしたい人にもおすすめです。