流水さんの百物語（分冊版）のレビュー

怖さのバラエティが嬉しい

この本の良いところは、さまざまな種類の怖い話が収録されていることです。幽霊話から日常に潜むささやかな恐怖まで、多様なエピソードが楽しめました。個人的には、もっと背筋の凍るような怖さが欲しかったけれど、日常の恐怖がメインなのでしょう。そのため、人によって好みが分かれるかもしれません。全体としてホラーエッセイの良さを活かしており、特にホラーが好きな方にはおすすめです。

興味深いが少し物足りない部分も

流水さんの百物語の初回は、日常の中に潜む恐怖を描いた話が詰まっています。短編形式なのでテンポよく読み進められますが、物語の深みや詳細な描写が少ないように感じました。怖さが伝わりやすい一方で、もう少し細かい描写があったら良かったかなと。とはいえ、気軽に楽しむにはちょうどいいかもしれません。ホラー初心者の方や、さくっと読める話を探している方にはおすすめです。

短編集の魅力、止まらない興味

実話をもとにした短編ホラーという形式が新鮮で、非常に面白かったです。市井の人々が経験した話にはリアリティがあり、ページをめくる手が止まりませんでした。流水りんこさんの漫画も親しみやすく、怖さを程よく感じさせてくれます。一話完結なので時間がない人でも手軽に読めるのが良いです。次の話が気になって仕方なく、続きが待ち遠しいです。