蝶のまぼろしに酔う ～バタフライ・ユーフォリア～のレビュー

過去編も素晴らしい

『くちびるに蝶の骨』が好きだったので、この過去編も楽しみにしていました。将嗣の背景が深く掘り下げられていて、彼の行動に対する理解が深まりました。特に春重の存在が物語に厚みを与えており、ホストとしての上昇と葛藤がリアルに感じられました。千晶とのシーンも印象的で、どんな結末を迎えるのか気になってしまいます。ただ、少し展開が急ぎすぎている場面もあり、もう少しゆっくりとしたペースで描かれていればと思いました。それでも、十分に楽しめる内容でした。

感情のジェットコースター

『蝶のまぼろしに酔う』を読み終わった後、しばらく現実に戻るのが難しかったです。将嗣の過去がこれほどまでに複雑で情熱的だとは思いませんでした。千晶との関係が描かれる場面は特に心に残り、感情が揺さぶられました。それに、電子限定描き下ろし漫画もいいアクセントでした。ただ、瞬く間にナンバーワンになるという描写が少し不自然に感じたのが残念。キャラクターにもっと深みがあれば、さらに良かったかもしれません。でも、全体的に見て非常に楽しめました。

ほろ苦い過去を知る

この物語は非常に感情に訴えかけるものでした。将嗣の過去が明らかになることで、彼の現在の行動や心情がより理解できます。特に千晶との関係が非常に複雑で、読み応えがありました。過去の出来事が現実にどう影響を与えるのかが描かれており、非常に興味深かったです。ただし、一部の展開が少し唐突に感じられ、そこが少々マイナスポイントでした。それでも、全体のストーリーは魅力的で、一度読み始めると目が離せなくなる作品でした。